これまで、このブログで再三指摘してきた【2月17日厚生労働省事務連絡】が【2月27日事務連絡】によって変わりました!
検査拒否ルートができてしまう仕組みを以前のブログ記事等で書いてきました。
問題となっていたのが、一般人→帰国者・接触者相談センターの電話相談が、【湖北省の渡航歴がある、もしくは、親しい人に新型コロナ患者がいる】以外は、一般診療所を案内するような仕組みになっていたことです。
今回、2月27日の事務連絡で17日事務連絡は【廃止】ということになり、新たな相談体制ができあがりました。
このブログではそのことについてまとめます。
未だ検査拒否されている、もしくは、検査萎縮モードになっている方へ、このフローを見ていただいて、ご自身がどの基準を満たしている確認していただけたらと考えています。
また、この新相談体制は、すべての保健所に浸透しているわけではなく、以前の【2月17日事務連絡】基準で検査を断られたという報告もありました。
断られた場合、厚生労働省と出している基準と保健所の判断が異なっているのが問題となるため、その点を電話相談にてご指摘いただくと良いと思います。
相談センターから専門外来への流れが変わった!
これまで、一般国民が相談センターに電話相談した場合、厚生労働省の指示により、湖北省の渡航歴やそれらの者と濃厚接触がなければ、たとえ原因不明の肺炎であろうとも一般診療所を勧められてきました。
現在は、こんなフローになりました。フローもなかなかわかりにくいので、詳しく解説していきます。
(以下、スライドを5枚掲示https://www.mhlw.go.jp/content/000601670.pdfより出典)





以下、わかりやすく解説していきます。
フロー1に当てはまる人
【1】発症から2週間以内に「新型コロナウイルス感染者」と濃厚接触をした者で、
①発熱 または ②呼吸器症状を有する者
【2】発症から2週間以内に「湖北省又は浙江省を訪問した者」または
「湖北省又は浙江省への渡航歴がある者と濃厚接触をした者」で
①発熱37.5度以上 かつ ②呼吸器症状を有する者

【1】に当てはまる人は、家族や親しい人が新型コロナ患者と診断されており、その後、自分自身も発熱した、もしくは、咳、強いだるさや息苦しさ(呼吸困難)がある人だね







【2】に当てはまる人は、
過去14日以内に「湖北省か浙江省を訪れた人」もしくは、「それらの地域を訪問した人と濃厚接触した者(医療従事者やホテル、旅行業等で観光客を応対している人も当てはまるよね)」で、37.5度以上の発熱&咳やだるさ、息苦しさがある人だね
【1】【2】に該当している人は、相談センターに電話すれば、すぐに【新型コロナ対応外来※】を紹介されるという流れになっています。
(この仕組みは従来どおりです)
※正式名称は、【帰国者・接触者外来】です。しかし、ちょっと意味がわかりにくいため、以下の説明では【新型コロナ対応外来】と書きます。名前は大事だと思うのですが…。
フロー2に当てはまる人
【フロー1】に当てはまらず、重症化しやすい、かつ、基礎疾患等を有している方





【重症化しやすい者】とは…
- 基礎疾患(糖尿病 •心不全 •呼吸器疾患 •透析加療中等)がある者
- 妊婦
- 高齢者
- 免疫抑制剤や抗がん剤を用いている者 など







以下の症状がある方
- 風邪の症状や37.5度以上の発熱が2日以上続く
(解熱剤を飲み続けなければならない方も同様) - 強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある方
これらの基準を満たす人は、
①まず、【帰国者・接触者相談センター】に電話してください。
②【帰国者・接触者相談センター】は、かかりつけ医に電話相談するよう相談者に指示します。
→その際に、相談センターは【新型コロナ対応外来】の連絡先を教えてくれます。
③かかりつけ医と電話相談してください。その時、かかりつけ医が
[A] 「自分の病院に一度診察に来てください」
[B] 「新型コロナの疑いがあるので、検査してもらってください」
のどちらかを指示してくれると思うので、その指示に従ってください。
④[B]であった場合、②の相談センターで教えられた【新型コロナ対応外来】へ電話してください。ご自身の状況や医師による指示があったことを電話にて伝え、受診の予約をしてください。
フロー3に当てはまる人
【フロー1】に当てはまらず、基礎疾患等もないが、重症化しやすい人





重症化しやすい人とは…
- 妊婦
- 高齢者
- 免疫抑制剤や抗がん剤を用いている者







以下の症状がある方
- 風邪の症状や37.5度以上の発熱が2日以上続く
(解熱剤を飲み続けなければならない方も同様) - 強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある方
これらの基準を満たす人は、
①【帰国者・接触者相談センター】に電話してください。
→【新型コロナ対応外来】への受診を調整してくれます。その際、連絡先を教えもらえます。
②教えてもらった【新型コロナ対応外来】に電話してください。
→いつ受診するか予約をとることになります。
フロー4に当てはまる人
【フロー1】に当てはまらず、基礎疾患等もなく、重症化しやすい者(妊婦・高齢者)でもない







以下の症状がある方
- 風邪の症状や37.5度以上の発熱が4日以上続く
(解熱剤を飲み続けなければならない方も同様) - 強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある方
①発熱(37.5度以上)や呼吸器症状が4日以上続く人は、【帰国者・接触者相談センター】に電話してください。
②相談センターは、
[A]症状が出てからかかりつけ医等を受診した人
[B]症状が出てからどこも受診していない人
で、対応が変わってきます。
[A]症状が出てからかかりつけ医等を受診した人
(1)相談センターはかかりつけ医に電話相談するよう指示します。
※この際、相談センターは【新型コロナ対応外来】の連絡先も教えてくれます。
(2)かかりつけ医と電話相談してください。その時、かかりつけ医が
[ア] 「自分の病院に一度診察に来てください」
[イ] 「新型コロナの疑いがあるので、検査してもらってください」
のどちらかを指示してくれると思うので、その指示に従ってください。
(3)[イ]であった場合、
②の相談センターで教えられた【新型コロナ対応外来】へ電話してください。
ご自身の状況や医師による指示があったことを電話にて伝え、受診の予約をしてください。
[B] 症状が出てからどこも受診していない人
(1)相談センターは【新型コロナ対応外来】への受診を調整してくれます。
※その際、【新型コロナ対応外来】の連絡先を教えてくれます。
(2)教えてもらった【新型コロナ対応外来】に電話してください。
→いつ受診するか予約をとることになります。
【新型コロナ対応外来】で検査を行う基準とは
新型コロナ対応外来にて、新型コロナ検査をするかどうか決めます。
その検査を行うかどうかの基準は以下の通り。
※筆者が言葉をわかりやすく書き換えました。本来の基準の文言が知りたい方はこちら(2月4日)とこちら(2月27日)。
①次のア、イ、ウ、エに当てはまる人
※原因不明の病気であって、新型コロナウイルス感染症を疑う場合
※※ただし、必ずしも次の要件に限定されない(外来の自主判断もあり)
ア) 発熱または呼吸器症状(軽症の場合を含む)があって、新型コロナ患者と濃厚接触した者
イ)37.5℃以上の発熱かつ呼吸器症状を有し、発症前14日以内に湖北省か浙江省に渡航、もしくは居住していた者
ウ)37.5℃以上の発熱かつ呼吸器症状を有し、湖北省か浙江省に渡航、もしくは居住していたものと濃厚接触した者
エ) 医師から新型コロナ検査を要すると診断された者
②ア〜エ以外で、下記に当てはまる人
・ 37.5℃以上の発熱&呼吸器症状を有し、入院を要する肺炎が疑われる者
(その中でも特に、高齢者や基礎疾患がある者)
・ 他の感染症と診断された者で、その治療でも症状が改善されず、病状が悪化した者
・ 医師が総合的に判断し、新型コロナ感染疑いとされた者







※濃厚接触とは
- 新型コロナウイルス感染症が疑われるものと同居あるいは長時間の接触(車内、航空機内等)があった者
- 適切な感染防護なしに新型コロナ疑い患者を診察、看護もしくは介護していた者
- 新型コロナ疑い患者の体液、もしくはその体液が付着したものに直接触れた可能性が高い者
その他、新型コロナウイルス感染症に対応した医療体制についての Q&A 第6版に各自治体や病院側が取るべき対応について書かれていますので、ご参考までに。
まとめ
2月27日の厚生労働省事務連絡により、一般国民から相談センターへの電話相談の対応がガラリと変わりました。
それまでは、湖北省渡航歴もしくは濃厚接触者でなければ、たとえ原因不明の肺炎であろうとも一般診療を受診するよう指示されていたのですが、このようなことは今後起こらなくなると思います。
ただし、現場は混乱しており、厚生労働省の指示が【帰国者・接触者相談センター】の電話相談員にまで伝わっていないことがありえます。
その際には、上記2月27日の厚生労働省事務連絡の存在を相談電話口にて伝えてください。
また、このフローに変わったことを知らず、以前電話相談で外来につながれなかった患者さんもいらっしゃると思います。
そのときには、対応が変わったことを伝えてください。
※もちろん、このブログを引用していただけたら、と思います。





今、相談センターに電話が繋がらないという報告をいただきました。
難しいかもしれませんが、電話が繋がりやすい環境を構築してください







相談センターの役割をそろそろ縮小していく必要があるのだと思います。
一番はやいのは、かかりつけ医→検査できる病院の流れです。
検査できる病院を増やし、かかりつけ医を早急に新型コロナ対応にしてほしいです。
新型コロナ対応とは、①隔離施設がある、②医療従事者が適切な個人防護具を身につけている、診療所のことです。