新型コロナウイルス 医療体制 検査拒否

【新型コロナウイルス】検査拒否をなくす体制を【提言】

新型コロナウイルス

検査拒否が起きてしまう体制について、まとめました。前に2記事このことについて書いていますが、それの最終まとめ版です。
また、大阪府がこの検査拒否の体制を改善するために、いち早く体制強化をしています。

そのこともご紹介しています。

(お問い合わせの回答がきたので、追記しました)

行政検査基準(外来)と疑い例基準(相談センター)は異なるのでは?

相談センターの疑い例基準

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000596978.pdf

「新型コロナウイルス感染症についての相談・受診の目安について」

2月17日厚生労働省事務連絡

“新型コロナウイルス感染症専門家会議の議論を踏まえ、一般の方々に向けた新 型コロナウイルス感染症についての相談・受診の目安を別紙の通りとりまとめました。”

とあり、37.5度以上の熱が〜といったような国民向けの『相談センターへの受診目安』のとりまとめを各種団体に送付している。

この事務連絡には『参考』と書かれた2月1日の「新型コロナウイルス感染症に対応した医療体制について」(令和2年2月1日各都道 府県衛生主管部(局)宛厚生労働省医政局地域医療計画課・健康局結核感染症課事務連 絡)が参考資料として一緒に配布されている(ウェブ上では相談・受診の【セット】という項目になっている。)

この文書(以下、2月1日文書)には、『帰国者・接触者相談センター』が『帰国者接触者外来』につなぐための、疑い例基準が書かれている。

その基準が以下の通り。

※新型コロナウイルス感染症の疑い例の定義
(現時点の定義であり、今後変更の可能性がある。)

ⅠおよびⅡを満たす場合を「疑い例」とする。

Ⅰ 発熱(37.5 度以上)かつ呼吸器症状を有している。
Ⅱ 発症から 2 週間以内に、以下の(ア)、(イ)の曝露歴のいずれかを満たす。
(ア) 武漢市を含む湖北省への渡航歴がある。
(イ) 「武漢市を含む湖北省への渡航歴があり、発熱かつ呼吸器症状を有する人」との接触歴がある。(2月1日疑い例の定義:帰国者・接触者相談センター用の疑い基準定義)

行政検査基準の拡大

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000596426.pdf

「新型コロナウイルス感染症に関する行政検査について(依頼)」

上の「相談・受診の目安」事務連絡と同日の2月17日に上記行政検査に関する事務連絡が出された。
ここでは、行政検査の検査対象が拡大され、

検査対象者について 新型コロナウイルス感染症の感染が疑われる方の行政検査については、都道府県等に おいて、主に別紙第7の1(4)で示された疑似症患者等について、これまで行われて きたと承知しているが、今般、別紙に示された疑似症患者の定義に該当する者に加え、 以下のいずれかに該当する者についても行政検査を行うこと。

 ・ 37.5℃以上の発熱かつ呼吸器症状を有し、入院を要する肺炎が疑われる者(特に 高齢者又は基礎疾患があるものについては、積極的に考慮する)

 ・ 症状や新型コロナウイルス感染症患者の接触歴の有無など医師が総合的に判断し た結果、新型コロナウイルス感染症と疑う者

・ 新型コロナウイルス感染症以外の一般的な呼吸器感染症の病原体検査で陽性とな った者であって、その治療への反応が乏しく症状が増悪した場合に、医師が総合的 に判断した結果、新型コロナウイルス感染症と疑う者

この拡大された行政検査基準は、どこに向けて書かれたものだろうか。
同日に『帰国者・接触者相談センター』で相談に乗ってきた人の検査に回す“疑い例”は【渡航歴・濃厚接触者】に限定されていたままなのに、この行政検査では検査拡大している。

大阪府の資料が非常にわかりやすく、それを読んでいて理解したのだが、

  • 行政検査とは『帰国者・接触者外来』にて、相談センターに受診を指示された患者(もしくは医師から転送された患者)を検査するかどうかを決める基準のこと。
  • よって、行政検査は『帰国者・接触者外来(指定医療機関)』がPCR検査をするかどうかを決める基準。
  • (1)疑い例の定義は『帰国者・接触者相談センター(保健所)』が電話相談しに来た人を『帰国者・接触者外来』に転送するかどうかの基準。

である。

2月17日の時点で、厚生労働省は、外来に来た患者の検査対象を拡大しながらも、相談センターに対しては2月1日の疑い例基準のままにしている。

ここで疑問に思うことは以下の2点です

①疑い例以外の基準(行政検査基準が拡大されたことに伴い)が、保健所に存在するのか?

②されていないのであれば、電話相談してきた患者で肺炎疑いがある場合、【渡航歴・濃厚接触】の基準がなければ、保健所は『帰国者・接触者外来』に患者を転送しないのでは?

お問い合わせしていた①②の質問の回答が帰ってきました。
「軽症の人まで専門外来に回していたら機能しなくなるので、一般の国民からの電話相談では、厚労省の疑い基準【渡航歴・濃厚接触者】の疑い例の定義で判断している」
とのことです。

そして、「渡航歴・濃厚接触者でない場合は、一般の診療所を紹介している」
とのことです。

「医師から保健所に連絡があった場合は、きちんと外来につないでいる」とのこと。

え…検査少ない理由ってこれじゃん…

ようやくわかりました。

なぜここまで検査が少ない事態になっているかというと、『帰国者・接触者相談センター』の疑い例定義がすごく狭いため、一般人→保健所ルートの電話相談では、専門外来に繋いでもらうことが限定されています。

(二次感染者を排除する仕組みになっています。)

さて、検査が少ない流れはこんな感じです。
①新型コロナ患者が病院Aから出た場合、病院Aは診察室の消毒やら悪評が立つやらで、新型コロナ患者を病院Aが保健所に申告するインセンティブが現状存在しない。

②病院Aは新型コロナ疑い患者にこう言います。
「うちでは検査できないので、保健所に連絡してください」
(メディアや政府も、「すぐに病院に行かず、相談センターに連絡を」と言っていますよね?)

③しかし、一般人→保健所ルートの電話相談では、一律の疑い例定義【帰国者・接触者】があるため、その新型コロナ疑い患者は、保健所にて他の診療所を勧められる。

大阪府の事例

大阪府は上記の問題「相談センターから外来につなぐための疑い例の定義が狭すぎる」「医師の判断による行政検査の実施のための体制が現状できていない」を克服するために、以下の施策を展開した(2月26日発表)

第6回大阪府新型コロナウイルス対策本部会議
日時:令和2年2月26日(水曜日)16時15分から場所:府庁本館5階 議会特別会議室(大)次第 議題 (1)最新の発生状況及び厚生労働省等の対応について (2)大阪府の対応状況等に
  1. 医療機関向けの相談窓口の開設 (2月27日~)府内医療機関からの患者対応の相談を受けるための専用電話相談窓口を新たに設置

<名称>医療機関向け新型コロナ受診・検査相談センター

<内容>「帰国者・接触者外来」への受診や検査依頼に関する相談

<体制>開設時間…10:00-17:00(平日のみ)

          場所、体制…府庁本館6階

府職員(医師)2人がローテーションで対応)

     <運用> 匿名は不可(なりすまし防止。医療機関と氏名を名乗る)。

相談内容は、検証のため録音。

電話番号は、医療機関にのみ周知

(大阪府第6回大阪府新型コロナウイルス対策本部会議資料3より引用)

→本来であれば、医師→指定医療機関ルートが合理的だが、体制が整っていないので、医療機関向け相談窓口ができたように思える。

この体制ができることによって、これまで『相談センター』→『外来』ルートしかなかった(もしくは、『医師』→『相談センター』ルートが不明瞭だった)のが、『医師』→『相談センター』ルートが明確化した。

2. 帰国者・接触者相談センターの名称変更
⇒(新名称)新型コロナ受診相談センター(帰国者・接触者相談センター)
○ 相談実態を踏まえ、「帰国者・接触者相談センター」の名称を変更

名称の変更は非常に良いと思われる。これまで『帰国者・接触者』という名前がついていたため、やはり疑い例以外は検査受けられないのでは?となってしまう。

新型コロナウイルスのことを相談したいので、この名称のほうが明瞭である。

3.「帰国者・接触者外来」への受診指示及び行政検査をより柔軟に運用【資料3-1】
○ 国の受診目安を幅広く捉え、積極的に帰国者・接触者外来への受診を指示
国の検査基準に加え、「原因不明の肺炎患者でウイルス性が疑われる者」や
「呼吸器症状の急性増悪」の場合も行政検査を実施

大阪府は『医師』→『相談センター』ルートを確保した後、『渡航者・接触者外来』で行われる行政検査の基準を国よりも範囲を拡大した。
この国基準の拡大は、法律改定にも書かれている(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第 12 条第1項
及び第 14 条第2項に基づく届出の基準等について(一部改正)
)第7条1の(4)但し書きの「ただし、必ずしも次の要件に限定されるものではない。」という文言のよって、要件を各自治体が独自基準にすることは認められているわけである。


これによって、肺炎疑いのある患者(もしくは呼吸器症状の急性憎悪患者)がすぐに検査されるようなった。検査体制がより迅速化されたと言える。

※大阪府は保健師が判断する“疑い例”をまだ変えていないのかもしれない。
ここは実務上、変えらないのかもしれない。
でも、私の意見では、この相談センターのしくみを根本的に変えなければならないと考えています。

提言

①各自治体は、一般の診療所と、新型コロナウイルス対応の診療所と分ける。
※新型コロナ対応診療所(以下、指定診療所)は、
1)隔離設備がある、
2)消毒や個人防護具等、医療資機材が確保されている、
3)上の条件を満たすために、各自治体は補助金を出す

等して、新型コロナ対応できるよう整備する。(医師会にも協力を仰ぐ)

②保健所は市民・県民の方から症状が新型コロナの疑いがあるという連絡を受けたら、一般診療所を勧めるのではなく、指定診療所を勧める。

③指定診療所において、医師が新型コロナ疑いの可能性があると判断した場合、指定診察所→指定医療機関へと即、患者を転送する。

④別のウイルスによる肺炎、もしくは、軽症であると医師が診断した場合、自宅にて経過観察し症状が悪化したら、指定診療所にて再診を受ける。

という新型コロナ対応の診療所→指定医療機関(新型コロナが検査できる病院)へのルートを作るべきです。
今のまま保健所が一般の県民・市民からの電話相談を疑い例にあたらないとして、一般診療を紹介するやり方では、

①一般診療所で感染拡大のおそれがあり、
②二次感染疑いの患者を一律排除している

ということになり、ウイルス封じ込めには良い体制になっているとは言い難いです。

※参考:三重県の補正予算

医療機関用にマスクや防護服、感染を検査する試薬などの購入費用として5870万円余りが、また75の県立学校への消毒液の設置費用としておよそ280万円が計上された。

出典:https://www.tokai-tv.com/tokainews/article.php?i=117475&date=20200227

日本医師会の政府要望

令和2年2月27日

内閣総理大臣
安倍 晋三 殿

新型コロナウイルス対策に関する要望書

日本医師会
会長 横倉 義武


日本国内の複数の地域で感染経路が明らかでない新型コロナウイルス感染症の患者が散発的に発生しており、国民・医療関係者が一体となって拡大防止に努めていかなければならない状況です。
感染の集団発生(クラスター)の連鎖拡大を抑えるため、3月を国において「新型コロナウイルス感染拡大防止強化月間」に位置付けていただきますようお願いいたします。
併せて、以下の点について要望いたします。



1.患者クラスターや地域の流行状況に応じ、学校医と相談のうえ、地域における学校の臨時休業や春休みの弾力的な設定
2.医療現場におけるマスク、手袋、防護具、消毒薬等を含めた医療資機材の確保と迅速な配備
3.医師の判断による PCR 検査を確実に実施する体制の強化
4.診断キット、治療薬、ワクチンの早期開発への最大限の尽力
5.感染症危機管理体制の強化、並びに健康医療情報を学術的な見地から国民に発信し情報共有ができる「いわゆる日本版 CDC」の創設


2月27日日本医師会も「3 医師→検査を確実に実施する体制の強化」を政府に提言しています。

出典:http://dl.med.or.jp/dl-med/kansen/novel_corona/20200227youbou.pdf

2の医療従事者を守る方策については、また次のブログで書きます

(追記)色々調べてみましたが、日本医師会が国に要求している通りのことをシンガポールはやっているので、新しい知見は見当たりませんでした…。
また新情報が入り次第、記事にしますね(3月3日)。


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