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シンガポール政府の新型コロナウイルス対策

シンガポール政府の新型コロナウイルス対策シンガポール

2020年2月10日、「2003年のSARSの経験により、シンガポール政府は感染症対策を準備してきた」とリー・シェン・ロン首相は国民に語りかけました。

新型コロナウイルスによる国民のパニックを引き起こさせないためです。
それだけ強固な対策を実施してきており、これからも展開していくという自負が垣間見えます。


私は2020年現在シンガポールに住んでいますが、これまでシンガポール政府の徹底した感染症拡散予防策を見聞きしてきました。


その対応の速さ、徹底した情報収集と共有、中国への毅然とした態度、政府命令に従わないものへの処罰の厳しさなど、シンガポール政府の「何が何でも国民を守る」という強い意志が感じられます。


シンガポール政府の新型コロナウイルス対策について、その主なものをこの記事でご紹介していきます。

シンガポールの感染症対策【新型コロナウイルスの事例より】

感染拡大の予防措置(概要)2020年2月16日現在

武漢からのインバウンド便の停止

2020年1月23日以降、中国の武漢からのすべての到着便を停止しました。

政府は湖北省への旅行と中国本土への重要でない旅行を延期することを、国民に奨励しています。

入国の際のスクリーニング

シンガポールへの入国の際に、陸、空、海のすべてのチェックポイントで、体温検査のスクリーニングが行われています。

強制休暇(Leave Of Absence)

中国本土から帰国したシンガポール市民、永住権保持者、および長期ビザ保持者は、職場や学校への14日間の休暇を強制的に取得させられます。この義務に反した場合、厳しい処罰がくだされます。

労働省(MOM:Ministry Of Manpower)は、2月9日に14日間の強制休暇義務を守らずに働いた4人の労働者のワーキングパスを永遠に剥奪した上に、24時間以内に本国へ強制送還したんだよ

隔離命令(Quarantine order)

 政府より隔離命令が出された者は、感染症拡散予防のために、自宅・政府隔離施設・病院等に隔離されます。

この隔離命令も、強制休暇と同じように法的拘束力を持ちます。この命令を破った場合、政府より厳しい処罰がくだされます。

湖北への旅行者のための強制隔離

 以下の事項に当てはまる者は、すべて隔離されます。

  • すでにシンガポールにいる湖北省への旅行者
  • 湖北省への旅行歴があるシンガポールの居住者または長期パス所有者
  • 湖北省で発行された中国のパスポートを持つ長期パス所有者

隔離命令に従わない場合、厳しい罰則があります。

中国本土への旅行制限

2020年2月1日より、国籍に関係なく、過去14日間に中国本土に旅行した訪問者は、シンガポールへの入国または通過が許可されません。

中国のパスポート保持者に対し、シンガポールへの新規のビザはすべて発給停止、また、これまでに発効されたビザもその効力が停止となっています。

中国全土からの訪問者の入国を一切禁止したんだよ

DORSCON(感染症警戒レベル)

シンガポール感染症警戒レベル図

2003年のSARS流行の経験から、シンガポール政府は【Disease Outbreak Response System Condition(DORSCON)】を定めました。
このフレームワークはシンガポール国内での感染症の状況を示すもので、各団体・機関や個人が守らなくてはならないガイドラインを大まかに定めています。
このフレームワークに沿って、各省庁がそれぞれの管轄する団体に細かく指示を出しています。

2020年2月7日、政府はDORSCONを【イエロー】から【オレンジ】へ引き上げ、警戒レベルを強化しました。
中国本土への渡航歴のない人への感染(人から人への二次感染)が見つかったからです。
オレンジの内容は以下の通り

感染症の性質
 ウイルスは深刻であり、かつ、人から人へ容易に感染する。
 しかし、シンガポール全体には広がっておらず、封じ込められている。
(SARSの事例と同様)

日常生活への影響
 中程度の混乱
  例)検疫・体温スクリーニング・病院への訪問者の制限

・一般住民へのアドバイス
 社会に責任ある行動を:病気の症状があるなら、自宅に待機すること
 (手洗い・うがいなどで)個人で衛生的に保つ
 衛生への勧告に注意する
 政府の管理政策に従う

各省庁がそれぞれの管轄する団体に出している勧告一覧です。
団体が守らなければならない義務や、奨励されている事柄等が明確になっています。

DORSCONオレンジへの警戒レベル引き上げに伴う追加策(主なもの)

大規模イベントのキャンセルまたは延期

イベント主催者へ不急のイベントのキャンセルまたは延期を政府は勧告しています。
イベントを開催する場合には、
①体温検査
②体調不良者のイベント参加を許可しない
③最近中国本土に渡航歴がある者の参加を許可しない
④渡航申告書を参加者に書かせ、参加者の登録リストを作成する
⑤会場の換気・清掃回数を増やす
⑥手洗いのための必要な設備の設置
を主催者に行うよう推奨しています。

企業にたいして

雇用主は授業員に毎日2回の検温を義務付け、健康状態を確認しなければなりません。
体調不良の者は、ただちに職場を離れて医師の診察を受けなくてはなりません。
雇用主は、従業員の在宅勤務を許可したり、従業員をチームに分けて、少ない人数で働く環境を作らなくてはなりません。

学校にたいして

学校は3月の長期休みまで、学校間および外部活動を停止しなくてはなりません(学校対抗の試合、遠足、キャンプなど)。

まとめ:シンガポール政府の新型コロナウイルス対策

2003年のSARSのときシンガポールでは、フェイクニュースが飛び交い、感染症の混乱に乗じた企業間の情報戦にまで発展しました。
今ですら、ネット上ではある特定の民族への差別発言が書き込まれ、欧州では中国人の若者による「差別しないで」というプラカードを掲げる事例まで出てきました。

不安と混乱は、必要のない新たな問題の火種になります。

私は今回シンガポール政府の対策を、以下の点で高く評価しています。


・トップダウンの合理的な指示で、現場に混乱を生じさせないこと。
・徹底した情報開示で、国民を不必要な不安に陥れないこと。
・中国と深いつながりがあるにもかかわらず(人口の74%は中華系、観光業への打撃は必至)、中国に対し毅然とした態度をとったこと。

以上、すべてを網羅していませんが、シンガポール政府の新型コロナウイルス対策のまとめ記事でした。
また、新たに分かり次第、追記していきたいと思います。

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